現在、世界で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症。そんな新型コロナの検査で陽性反応と診断されたサッカー選手が、欧州各地で続出している。
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そんな中、韓国プロサッカーのKリーグでは徹底した防疫体制によって感染率0%を現在も維持している。新型コロナが発生以降、Kリーグは防疫当局の指針やガイドラインによって、1人の感染者も出さない安全な感染予防措置が取られているのだ。
昨年からKリーグの1部と2部の全チームに導入された電子パフォーマンス・トラッキング・システム(EPTS)など、サッカー科学に基づいた選手のコンディションや負傷の管理によって、健康面での心配はない。
ただし、精神的ストレスが溜まってしまう問題はある。
新型コロナの影響でKリーグの開幕が延期となり、各チームのシーズン計画にも支障が生まれた。
通常、選手やコーチ陣はシーズン計画に合わせてコンディションを調整し、練習量も調節する。しかし、新型コロナの事態が終息した後に日程が再開されるという方針のため、リーグ開幕日を特定するのは困難だろう。そのため、仮にリーグを開幕できたとしても、最高のコンディションを披露するのは難しいのが現状だ。
加えて、防疫対策で外部を完全にシャットアウトしトレーニングするため、ストレスが溜まりうる状況であるのも事実だ。
スポーツ心理学のイ・サンウ博士は本紙『スポーツソウル』の電話取材に応じ、以下のように述べた。
「コーチ陣はトップコンディションを3~4月に合わせて周期を設定したにもかかわらず、すべてがこじれてしまった。再び周期を決めることに頭を悩ましているだろう。選手たちはモチベーションが落ちているかもしれない。目の前にミッションや課題があってこそトレーニングに専念できる。簡単なことではない。コンディションを維持するのは難しい」
モチベーション維持には「選手と指導者の双方に、チームの結束力を固めるための新鮮な刺激が必要だ」と話すイ博士。コーチ陣と選手の悩みを解消できるヒントとして、2015年当時、プレミアリーグのレスター・シティを率いたクラウディオ・ラニエリ監督が選手たちに課した“政策”を例に挙げた。
2015-2016シーズン、並みいるビッグクラブを押しのけレスターに奇跡のリーグ優勝をもたらしたラニエリ監督。チームはシーズン序盤から好調ぶりを見せていたが、当時はクリーンシート(無失点)を達成できた試合がなく、不安定さもあった。
そこでラニエリ監督は、選手たちに“クリーンシートを達成できたら全員にピザを奢る”と宣言したのだ。その後、チームは見事シーズン初のクリーンシートに成功し、約束通りラニエリ監督から選手全員にピザが振る舞われた。
このように、簡単なことでも選手が集中できるような目標があるべきとイ博士は強調する。
心理的なストレスは、韓国プロサッカー連盟や各クラブ関係者、指導者たちの努力次第で解消できる。
現時点のストレスを効果的に解消できなければ、新型コロナの事態が終息してリーグが再開したとしても、結局は結果に対する負担がさらに選手を襲う。まさに“泣きっ面に蜂”のような二重苦が積もれば、チーム崩壊の危機が訪れてもおかしくはない。
「今シーズンは、中断以前までアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)でKリーグのチームの成績が優れなかった。そのように、突発的な状況が発生する可能性は高い」とイ博士は懸念を示した。
新型コロナの感染予防も大事ではあるが、並行して選手たちのコンディション管理やメンタルケアも求められている。
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