オリンピックのメダル獲得に挑戦するU-23韓国代表が、新型コロナウイルスによって悩みに陥った。
もともとキム・ハクボム監督が率いるU-23韓国は3月に招集され、2020東京五輪の準備を本格的に開始する予定だった。
韓国サッカー協会は当初、日本と一緒にアフリカのチームを招待して“ミニ大会”を行おうとしたが、新型コロナが韓国と日本で感染拡大し、計画は失敗に終わった。さらにKリーグの開幕まで延期され、3月の招集自体が取り消された。
U-23韓国代表は、去る1月にタイで開かれたアジアサッカー連盟(AFC)U-23選手権で優勝し、オリンピック出場権を得た。2月を休み、3月に入ってから7月に開幕する東京五輪に向けてスタートを切る構想を立てたが、出鼻をくじかれた格好だ。
最大の問題は、現在の状況では東京五輪が開催されるのかどうかさえ、保証がないという点だ。
日本は3月9日午後の時点で、新型コロナ感染者が1190人に達した。事実上、検査がほとんど行われていない状況でも、感染者が急速に増加傾向にある。日本政府の対応については、国際社会からも問題を指摘する声が高まっている。
当然、オリンピックの開催も難しいとの意見も出てきた。
国際オリンピック委員会(IOC)トーマス・バッハ会長が3月初め、「オリンピックは予定通り行われる。準備に専念してほしい」とのメッセージを残したが、日本の現状を見ると説得力が落ちるのが事実だ。
さらに日本国内でもオリンピックの“延期説”が提起されるほど、事態は深刻になっている。
橋本聖子オリンピック担当相は最近、「IOCとの契約では2020年中に開催されない場合、IOCが大会を中止できる」と明記されていることに触れ、「解釈によっては、2020年中であれば延期が可能ということ」と発言した。
しかしオリンピックは、欧州プロサッカーリーグのような主要な国際大会とスケジュールが重ならないように調整された大会であるため、現実的に延期は容易ではない。最悪の場合、やはり中止の可能性まである。
オリンピックは選手たち、特に韓国人選手にとって非常に重要な大会であるため、開催されるのかどうかについては敏感にならざるを得ない。
オリンピックという大会自体にも大きな意味があるが、韓国人選手にとっては兵役免除の“恩恵”を受けられるかどうかがかかっている。
兵役の義務がある韓国では、18歳以上の男性は2年間の軍隊生活を行うことになる。しかしオリンピック3位以上、アジア大会1位になった選手たちは、文化体育観光部長官の指揮・監督下に兵務庁長が定めた分野で34カ月服務、およびボランティア544時間で兵役履行を代替できる。
つまり、もしオリンピックでメダルを獲得できれば、ボランティア活動や書類提出などを行いながら選手生活を続けることができるわけだ。
それほど貴重な機会であるオリンピックが万が一、翌年に延期されたり、開催自体が中止になったりした場合、選手たちは一種のパニックに陥る可能性まであるだろう。
特に、今大会が出場できる最後となる1997年生まれなどの世代や、23歳を超えるワイルドカードの選手たちはダメージが大きいだろう。
キム・ハクボム監督は、「親善試合を期待したが残念な状況だ。今は練習試合でも見て回っている」とし、「開催については、私たちにできることは何もない。オリンピックが予定通り行われると考えて、準備をするだけだ」と話した。
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