日本の“輸出規制”で進む韓国の「脱日本化」…フッ化水素の国産化に成功、問題点も

2019年10月17日 社会
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韓国に対する日本の“輸出規制”から100日余りで、ディスプレイの核心素材であるフッ化水素の国産化が成功した。

特に日本を代替する輸入国の多様化まで実現し、韓国の素材・部品産業の“脱日本化”が加速している。そのため日本の輸出規制が、むしろ韓国素材部品産業のきっかけになったという評価も出ている。

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10月16日、半導体業界によると、LGディスプレイは9月初めにフッ化水素の国産化に成功し、10月から製造工程に日本製を使わず、韓国製に100%代替したという。LGディスプレイ側は「量産ラインのOLED(有機発光ダイオード)パネルの生産に使用される高純度フッ化水素を国産化した」と確認した。

サムスンディスプレイも液体フッ化水素の国産化テストを終え、現在残っている在庫がなくなり次第、国産フッ化水素を生産ラインに投入する予定。ディスプレイの中核工程に欠かせない「ポリイミド」はすでに韓国製を使用しており、ディスプレイ業界は日本発の危機から脱する形勢だ。

韓国政府は去る10月11日、「第1回 素材・部品・設備の競争力委員会」で、「輸出規制品目の迅速な多様化と独自技術の確保で素材・部品・設備の競争力強化対策が軌道に乗った」と評価した。業界も、日本の輸出規制が韓国の素材・部品産業を強化させたとの評価を出した。

特にサムスン電子は、今回のきっかけを脱日本化と技術独立の機会にするという方針も決めた。

サムスン電子は半導体の素材部品だけでなく、「国産化できるものはすべて国産化する技術を確保する」と関連企業に伝え、日本製の素材を国産化したり、第3国の素材と交換したりする作業を行うよう要請した。

ただディスプレイとは異なり、半導体を製造するサムスン電子とSKハイニックスの韓国製フッ化水素の投入時期は、まだ知らされていない。

サムスン電子の半導体生産現場

両社は半導体の一部の工程に国産フッ化水素製品を投入するテストを実施中だが、ディスプレイに使用されるフッ化水素よりも高純度製品が必要となるため、代替が容易ではない。これらの企業は日本製フッ化水素の代わりに、台湾や中国のフッ化水素を投入して製品を生産している。

業界関係者は「ディスプレイに使用されるフッ化水素の場合、半導体のようにナノ工程レベルではないので、純度“99.9999999999%”(トゥエルブナイン)級の超高純度フッ化水素を必要としない」とし、「半導体に使用される気体フッ化水素は取り扱いが難しく、純度も超高純度が必要であるため、早期に日本製を代替することは容易ではないだろう」と述べた。

一方、韓国と違って日本は、自らが行った経済報復がブーメランになっているとの見方も出ている。

韓国経済研究院によると、今年7~8月に韓国人観光客が急減したことで、日本の生産誘発減少の規模は3537億ウォン(約354億円)を超え、8月に日本を訪れた韓国人観光客は30万8700人と1年で半分に減った。また関税庁によると、9月の日本ビールの輸入額はわずか700万ウォン(約70万円)で事実上、輸入が中断されている。

文在寅大統領も10月8日の国務会議で、「政府と企業の迅速かつ全方位的な対応、ここに国民の応援まで加わって、現在までは概ねうまく対処してきた」とし、「輸入先の多様化と技術の自立化、大・中小企業共存協力など、さまざまな面で意味のある成果も生み出している」と評価した。

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