新型コロナウイルスの脅威が長期化するなかで、韓国の旅行業界は新しい活路を模索できないまま、新型コロナ終息を願うしかないのが現状だ。
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韓国の旅行会社、特に海外旅行商品で大半の売り上げを作っていた大手旅行会社は、新型コロナで大打撃を受けた。これらの企業は、リモート観光商品、免税ショッピングが可能な飛行商品などを相次いで発売し、活路を模索したが、パッケージの特性上、対面に対する恐れ、収容人員の限界などで苦戦を強いられた。
仁川空港公社が2020年8~11月、2873人を対象に「新型コロナと空の旅、心理トレンド調査」を実施した結果、新型コロナ以前、好きな旅行で90%以上を占めていた「海外」の回答比率は39.7%まで減少した。
韓国国民の10人中、6人が2021年の海外旅行をあきらめると宣言したようなものだ。新型コロナに感染する懸念だけでなく、14日間の隔離への負担も一役買ったといえる。
これに対して旅行業界の従事者や観光業依存の国家は、海外旅行を渇望する人々のために、トラベルバブル(防疫に優れ国同士では義務隔離を設けず、自由に旅行を許可する制度)協定を結び、旅行プログラムを企画した。ワクチン商用化が不透明な状態で出した、自分たちなりの自己救済策だ。
準備段階ではあったが、韓国の大手旅行代理店は最近、トラベルバブル締結の可能性が高い国家の旅行商品を事前販売したりした。それなりに防疫を成功させた国に旅行できるという期待感と、キャンセル時に全額還付するという条件をつけたおかげで、完売を記録した商品も少なくない。
しかし安全と絡み合った旅行商品であっただけに、反発もあり、結局は不発で終わってしまった。新型コロナの新規感染者が急増している時期だっただけに、不必要な提案だったという指摘もある。
仁川空港公社の関係者は「地域内のグリーンゾーンのみを訪問するため、旅行を通じた感染の危険性を下げることができる。新型コロナの感染が発生しても疫学調査が容易なので、感染拡大のリスクも減る」としていたが、遺憾を表す声が高まり、「アイデアを検討する段階までで、本格的に商品開発をしていない」と手を引いた。
専門家は、ワクチンの導入時期が確定していないだけに、新型コロナ以前のように海外旅行を自由にすることは、当分の間は難しいと指摘する。ワクチンが導入されても、海外の状況に応じて、少なくとも1年、事実上それ以上の時間が必要という立場だ。
新韓金融投資ソン・ジュンウォンアナリストは「事実上、第4四半期になってから韓国内のワクチン接種が始まるだろう」と見通し、「旅行業界の場合、第4四半期連続の赤字が予想される」と述べた。
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