ここ5年間、韓国の公共・民間・オンライン部門で流出した個人情報が6414万件に達すると集計された。
しかし流出した個人情報の1件当たりの平均課徴金(過料を含む)は、258ウォン(約26円)に過ぎないことが明らかとなり、“軽すぎる処罰”と指摘されている。
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10月8日、韓国国会・政務委員会に所属するパク・グァンオン議員が個人情報保護委員会の資料「個人情報の流出現況」を分析した結果、2016年から2020年9月までに公共・民間・オンライン部門で376回、計6414万件の個人情報が流出したと発表した。
そのうち行政処分が決定した253回、5087万件に対して課徴金131億3620万ウォン(約13億1360万円)が課されたが、1件当たりの平均課徴金は258ウォンに過ぎなかった。
1件当たりの平均課徴金が100ウォン(約10円)未満のケースも25回あった。個人情報流出件数全体の21%を占めているにもかかわらず、賦課された課徴金は3億3510万ウォン(約3350万円)にとどまったのだ。さらに226万9000件余りの個人情報流出については、1件当たりの平均課徴金が5.7ウォン(約6円)だった。
現状に対して専門家は、個人情報の流出が続く主な原因は、“軽すぎる処罰”にあると指摘した。
実際に2017年610万件だった個人情報の流出件数は、2019年1839万件と3倍以上に膨れ上がり、2020年も9月までに994万件の個人情報が流出したことが確認された。韓国の個人情報保護法上の課徴金は、違反行為に関連する売上高の3%に過ぎない。
一方、欧州ではGDPRという個人情報保護規定を通じて、深刻な法違反の場合、「全世界の年間売上高の4%」に達する課徴金を賦課している。実例としてイギリスは、約50万人の顧客の個人情報を流出したブリティッシュ・エアウェイズに約250億円に達する課徴金を課している。
パク・グァンオン議員は「データ革新を通じてデジタル経済に跳躍するためには、個人情報保護の価値が最優先されなければならない」とし、「国内法と制度を国際的な基準となる欧州の個人情報保護規定(GDPR)と同レベルに改善しなければならない」と強調した。
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