38人が死亡した韓国の利川火災は“人災”だった…警察「安全上の規則に従っていない」

2020年06月15日 社会
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去る4月29日に死者38人・負傷者10人を出した利川(イチョン)物流倉庫・工事現場火災の原因は、溶接火花によるものだったと警察が6月15日に明らかにした。

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利川の火災だけでなく、2008年の西利川(ソイチョン)物流倉庫火災(死者8人・負傷者4人)、2014年の高陽(コヤン)総合ターミナル火災(死者9人・負傷者69人)、2017年の華城(ファソン)東灘(トンタン)メタポリス商店街火災(死者4人・負傷者47人)も、すべて溶接火花によるものだった。

警察が発表した利川火災の中間捜査結果によると、今回の火災は物流倉庫の地下2階で労働者がユニットクーラー(室内機)の配管の溶接作業を進行中に発生した火花が、天井の壁に塗布されていたポリウレタンに飛んで発生した。

繰り返される“人災”

韓国では溶接火花が火災に広がるケースが珍しくなく、韓国消防庁国家火災情報センターによると、溶接火花による火災は2017年から2019年まで毎年1100件ずつ繰り返されている。

利川火災の現場

雇用労働部と韓国産業安全保健公団は2019年4月、産業安全保健法の「産業安全保険基準に関する規則」の一部を強化した。しかし関連法があるにもかかわらず、“人災”が繰り返されており、工事現場では「お金の前で最初に無視されるのが安全だ」との声も出ている。

今回の利川火災も、安全対策義務がまったく守られていないことがわかった。

警察関係者は「工期短縮、安全性を度外視した避難路と防火扉の閉鎖、任意施工、火災と爆発の危険作業の同時施工、臨時消防施設と緊急警報装置の未設置、安全管理者の未配置、火災予防・避難訓練の未実施など、多数の安全上の注意に従っていないことが確認された」と伝えた。

現場では、安全管理予算を工事規模に合わせて一定の割合で固定し、最低入札とは別に算定するなどの制度改善を求めている。

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