集団感染が報告されたソウル梨泰院(イテウォン)のクラブ関連の新型コロナウイルス新規感染者が、5月11日正午現在で86人と集計された。
潜伏期間を考慮すると、新規感染者は来る5月13日まで大幅に増加するとの予想も出ている。
【注目】韓国のゲイクラブ発のコロナ感染者急増…ソウル市長「2500人と連絡取れない」
防疫当局は、今回の集団感染が若い層を中心に拡散しているだけに症状が軽いケースが多く、検査時期を逃す可能性があると憂慮しており、梨泰院一帯の遊興施設訪問者に迅速に検査を受けることを促した。
中央防疫対策本部は5月11日、0時~12時までに梨泰院クラブ関連の新規感染者が14人追加で確認され、累積感染者が86人に増えたと発表した。
最近2週間の感染経路別感染者発生状況をみると、海外からの流入が50%を占め、梨泰院クラブ関連の集団感染が43%(73人)となっている。
梨泰院クラブ関連の感染者数は地域別にみると、ソウルが51人で最も多く、京畿が21人で続いた。他にも仁川(インチョン)7人、忠清北道5人、釜山(プサン)1人、済州1人となっており、関連する感染者が全国的に広がっている。
感染者のうち、梨泰院クラブを直接訪問して感染したのは63人で、家族・知人・同僚などの接触者で感染した事例は23人となった。3次感染はまだ発生していない状況だ。
中央防疫対策本部チョン・ウンギョン本部長は「3次感染はないと伝えたが、すべての関連事例を区分したわけではないので定義が厳密ではない」とし、安心できる状況ではないと強調した。
梨泰院クラブ関連の集団感染は、20代男性の感染が多い。若年層を中心とした感染であるだけに、軽症・無症状の事例が多いのが特徴だ。86人の感染者のうち78人が男性であり、女性は8人となった。
年齢別では20代が58人で最も多く、30代が18人で続く。40代、50代が3人ずつで、60歳以上が1人だ。
無症状で感染と判定された事例は30人で、全体の34.8%を占めている。特に地域社会で感染した23人のうち、約40%である9人が無症状ながら感染判定を受けた。
これに対してチョン本部長は、「症状が発症する前に検査で早期発見できたということ」とし、「時間が経てば症状が出る可能性がある状況」と予想した。続いて「若い層が大部分であるため、まだ重篤な事例はないが、まだ初期段階なので状況を見守らなければならない」と付け加えた。
チョン本部長は「症状がとても軽いため、病院に行かず、検査を受ける機会がない可能性もある」とし、「診断が遅れてしまう可能性が少なくない」と憂慮した。
防疫当局は、若い男性を対象とする入隊検査で地域感染拡大の程度を把握するなど、梨泰院クラブ関連の集団感染監視システムを稼動する計画だ。
また防疫当局は、ソウル市が名簿を確保した梨泰院クラブの訪問者5517人のうち2456人が検査を受けており、接触者などを含めると計3077人が検査を受けたと説明した。
チョン本部長は「梨泰院の遊興施設が5月2~6日に運営された点と、新型コロナの平均潜伏期間を考慮すると、5月7~13日の発症が多いと推定される」とし、「梨泰院の遊興施設を訪問した人は今週中、特に今日、明日にもすぐに検査を受けなければならない」と要請した。
それとともに「感染したら非難されるから検査を受けないという声も聞いた。誰もが診断検査の不便や偏見を受けないように努力する」とし、個人情報を徹底的に保護することを約束した。
防疫当局は4月24日~5月6日に梨泰院の遊興施設を訪れた人は、外出を控えて自宅に滞在し、症状に関係なく検査を受けるべきと呼びかけている。
チョン本部長は「感染者を迅速に探し、地域社会での2、3次感染を遮断しなければならない」とし、「2、3次の感染拡大を最小限に抑えるには今週が非常に重要な時期」と強調した。
また「今回の集団感染は若い年齢での感染が多く、症状がないため、少なくない対外活動をしており、地域社会に感染拡大する可能性が高い」と憂慮した。
去る5月8日から遊興施設の運営自制勧告が下されたなか、防疫当局は、不可避的に運営する店舗は防疫管理者を指定し、出入者名簿を作成するときに身分証明書を確認するなど、強化された行政命令に従わなければならないと訴えた。
前へ
次へ