韓国を震撼させている“n番の部屋”事件と関連して現職の僧侶が拘束起訴され、再び衝撃を与えている。
禁欲を説く立場の僧侶が積極的にわいせつ物流布に加担したという点で、議論が巻き起こる可能性が高い。
そもそも韓国で大問題となっている“n番の部屋”事件とは、女性を脅して撮影したわいせつ映像や画像を数十万人がSNSで共有していた事件のこと。組織的なデジタル性犯罪で、20万人以上の有料会員がいたという。被害女性は未成年者を含む70人以上に上る。
そのなかでも“博士の部屋”というチャットルームを運営していたチョ・ジュビン(24)は、アルバイトなどと称して女性を募集し、応募時点で個人情報や顔が映ったわいせつな画像を受け取り、それを口実に脅し、さらに過激な動画を撮影させたとされる。
水原(スウォン)地検・女性児童犯罪調査部(チョン・ヒョンミン部長検事)は4月17日、児童・青少年の性保護に関する法律違反などの容疑で僧侶A氏(32)を拘束起訴した。
僧侶Aは2016年から2020年3月まで、4つのポルノサイトを運営しながら、8000件を超えるわいせつ物を流布した疑いで起訴された。
また、未成年者を脅迫してわいせつ映像や画像を流布したチャットルーム“n番の部屋”、“博士の部屋”などで共有された映像を第三者から購入した後、テレグラム(SNS)を通じて流布した疑いも受ける。
A氏は自分の携帯電話などに、児童・青少年が対象となった映像を含めて計1260件のわいせつ物を所持していたことが確認された。そのうち950件ほどをテレグラムなどに流布していたという。
検察は、彼が営利目的でわいせつ物を“博士の部屋”などで購入し、テレグラムで転売したと見ている。そのためA氏の犯罪収益規模はもちろん、A氏からわいせつ物を購入した人たちに対しても調査している。
ただA氏がわいせつ映像などの制作に直接関与した事実は確認されなかった。
また、“博士の部屋”運営者チョ・ジュビン、その加担者カン・フン(18)など、いわゆる“博士の部屋”事件を起こした彼らとの関係性は、現在までにないことがわかったという。
韓国女性人権振興院は、2019年9月に今回の事件を捜査依頼した。関連捜査の過程で、京畿(キョンギ)南部地方警察庁は、A氏を3月に京畿道の自宅で検挙し、住居などを家宅捜索するなど捜査した末に、彼を起訴意見で検察に送致した。
検察関係者は、「A氏はポルノサイトを運営しながら営利目的でわいせつ物などを流布した」とし、「大検察庁の強化された処理基準に基づいて犯行期間、回数、流布の規模、犯罪収益などを考慮し、厳正に処理する方針」と述べた。
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