3月末に行われる韓進(ハンジン)グループの持株会社・韓進KALの株主総会を控えて、韓進グループのチョ・ウォンテ会長と、“ナッツ姫”ことチョ・ヒョナ元大韓航空副社長・ファンドグループKCGI・バンド建設で構成された“3者連合”との間の攻防戦が日増しに強まりつつある。
双方の持株分率差が1~2%前後と事実上さほど差がなく、双方は理事の資格問題、エアバスとのリベート疑惑などを連日提起し、少額株主の支持を獲得するために総力戦を繰り広げている。
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国民年金などを含めた小口株主が経営権の行方を左右する重要な変数になるため、双方の攻防戦と持株分の買い取りの様相は、株主総会の直前まで続くものと予想される。
最近起こった最も大きな突発的なアクシデントは、“3者連合”が提起した大韓航空のリベート疑惑だ。
“3者連合”は3月6日を皮切りに、計4回にわたって大韓航空のリベート疑惑を提起。捜査を求めなければならないという内容の文書を世に出した。
3月11日には「エアバス社は2015年11月3日、韓進グループ傘下の航空大学校に発展基金900万ドルを出し、翌月にエアバス社が大韓航空からエアバスA321ネオ航空機30台の確定注文を受けて、追加で20台のオプションをもらうことにする契約を締結した」と、最近までリベート慣行が続いていると主張した。
“3者連合”は3月9日にも報道資料を出して「フランス裁判所が不法リベートの事実を確認しており、これはエアバス社が自ら認めた事実」とし、「大韓航空は不法リベートの過程でいかなる内部的統制システムも作動していない。疑惑が明るみに出た現在でも、何の実質的な調査なしに否認で一貫している」とした。
チョ・ウォンテ会長が2010~2013年当時、大韓航空の主要役員だったため、このような事実を知らなかったはずがないというのだ。
韓進グループ側は、「3者連合はフランスの経済犯罪担当検察の“捜査終結合意書”を、高等裁判所の判決文だと虚偽の主張をして世論を糊塗している」と疑惑を否定。続いて「過去の事実関係の確認のため、最近フランスの裁判所、エアバス社などに確認を要請し、これとは別に内部監査も行う予定」と付け加えた。
両者は、互いに推す理事候補をめぐっても候補者の資格を問題視した。
韓進グループ側は、3月11日に韓進KALが推した理事候補が3者連合の理事候補群よりも専門性と独立性が優れているという点を強調した。
韓進KALは、元金融委員長のキム・ソクドン氏や、韓国資本市場研究院長を務め現在は西江(ソガン)大学・経営大学教授のパク・ヨンソク氏などを社外取締役に推薦した。
3者連合は社内理事に前SKグループ副会長のキム・シンベ氏、サムスン電子の中国総括副社長だったペ・ギョンテ氏、大韓航空の常務だったキム・チフン氏を推し、非常勤専務理事としてはティーウェイ航空の代表理事だったハム・チョルホ氏を推薦した。
韓進グループは3者連合側の取締役候補らについて「航空事業と関連のない重役たちを布陣した上、チョ・ヒョナ株主連合の言い分に振り回されざるを得ない人物だけを候補に掲げた」と批判した。
一方、3者連合は社内理事に推薦されたチョ・ウォンテ会長の場合、負債比率上昇と財務構造の悪化を引き起こした経営失敗の張本人であり、過度な負債で破産した韓進海運の元社外理事が今回も社外理事候補者に含まれたと指摘した。
3者連合が3月13日、取締役の資格を強化する内容の定款変更案を提案したことも、俎上に上がっている。
この案件は、新任理事の推薦案件などとともに3月27日の韓進KALの定期株主総会に上程される予定だ。
これは、チョ・ウォンテ会長の取締役資格喪失の可能性を念頭に置いて提案したものと見られる。
3者連合の定款変更案には、背任・横領罪で禁錮以上の刑の判決が確定されてから3年が過ぎてない者は、会社の理事になることはできず、理事になった後にこれに該当した場合にはその職を喪失するという内容が含まれた。
一方、今回の株主総会で議決権を行使できる株式はチョ・ウォンテ会長陣営が33.45%で、3者連合(31.98%)側を約1.47%リードしている。
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